ミナハサ人のご先祖様

トモホン、トンダノを中心とするミナハサ高原は、トアルとルミムウットの地 (Tanah Toar Lumimuut)とも呼ばれます。言い伝えによれば、ミナハサ人の祖先はその昔スラウェシ島の北部にたどり着いた一組の男女、トアル(太陽)とルミムウット(大地)だとか。これはミナハサ人のご先祖様の物語です。

トアルとルミムウット(Toar Lumimuut)

神の血を引き、永遠の若さと美貌をもつルミムウットは、成人を機に世界探検の旅に出る息子トアルとの別れの日を迎えました。別れの際に自分の持つ長い杖と同じ長さの杖を一本トアルに渡したルミムウットは、「同族の女性と結婚してはならない」と告げました。「同じ長さの杖を持つ女性とは結婚すべからず」ということです。

歳月は流れ、長旅の末に故郷へ戻ったトアルは、一人の若く美しい女性と出会い、恋に落ち、結婚を願うようになりました。トアルは母ルミムウットが永遠の若さと美貌を持つことを知らず、ルミムウットも目の前の精悍な好青年が成長した自分の息子だとは思いもしませんでした。

プロポーズを前に母の忠告を思い出したトアルは、自分の杖をルミムウットの杖の横に並べて置きました。トアルの杖は長旅による磨耗ですっかり短くなっていたので、二人の間には何の障害もないように思われました。

結婚後に重大な過ちに気付いたトアルとルミムウットは、故郷を後にせざるを得なくなります。そして、長い航海の末にセレベス島(スラウェシ島)北部の火山島、マナドトゥア島へとたどり着きました。

しばらくマナドトゥア島で過ごした後、対岸のセレベス島に渡りますが、海岸付近はとても暑く、そのまま内陸部へと進んだ2人は、涼しく空気の澄んだトンダノ山の付近に落ち着き、子供をもうけました。

時は流れ、トアルとルミムウットの間に誕生した7人の子供たちが成人すると、各々が自らの領地を求めるようになりました。それを許可したトアルは、ミナハサの地に7つの石を投じ、一人一ヶ所を選ぶよう命じました。トアルの放った7つの石が落ちた場所がすなわち Tonsea、Tondano、Tombulu、Tombasso、Tontemboan、Toulour、Tomohon。ミナハサの7つのエスニック・グループはこうして誕生したと言い伝えられています。

マナド(メナド)のトアル・ルミムウット像

マナドのトアル・ルミムウット像

ブキッ・カシのトアル・ルミムウット像

愛の丘のトアル・ルミムウット像


典拠資料

The Minahasa
トアルとルミムウットは親子ではないという説もあります。