北スラウェシ州あらまし
インドネシアのほぼ中央に位置するスラウェシ島(旧称セレベス島)は、アルファベットの「K」や「蘭の花」に例えられるユニークな形をした島です。太古の時代に南北に分かれていた陸地がぶつかり合って一つの島となり、その後はずっと孤立した島であったとされるスラウェシ島は、固有種がたくさん生息する島としても知られます。
北スラウェシ州
スラウェシ島北端のミナハサ半島と周辺の島嶼部からなる「北スラウェシ州」は、多彩な生き物を育む海、熱帯雨林に椰子林、火山脈がもたらす肥沃な土壌といった豊かな自然環境に恵まれています。
半島先端の西側(セレベス海側)に位置する州都マナドは香辛料貿易の拠点として拓かれた港町。
トモホンとミナハサ県を中心としたミナハサ高原は、北スラウェシの文化の中心地で、マナド美人の本拠地。
ミナハサ半島からサンギヘ・タラウド諸島に沿って北上するとフィリピンのミンダナオ島に達します。
北スラウェシはかつてフィリピンの延長線上でスペインに統治された元スペイン領(その後オランダ領に)。それ故に北スラウェシの共通語であるマナド語にはスペイン語に由来する単語も数多く含まれています。
州人口の7割がキリスト教徒
香辛料を求めて欧州人が北スラウェシを目指すようになったのは16世紀のこと。17世紀のスペインによるカトリックの布教を経て、19世紀にはオランダによってプロテスタントが伝えられました。
以降「オランダ12番目の州」と言われるほどオランダ文化を受け入れてきた北スラウェシでは、現在も州人口のおよそ7割をキリスト教徒が占めます。
インドネシアで最も治安の良い州
陽気でパーティピープルな北スラウェシの人々のモットーは、人は人のために生きる、私たちはみな兄弟。
キリスト教徒・イスラム教徒・華人がそれなりに仲良く暮らす伝統を誇りとする北スラウェシ州は、インドネシアで最も治安の安定した州と言えます。
インドネシアの他州で宗教紛争やテロ事件が起きた際には、イスラム教徒がキリスト教会を警護し、キリスト教徒がモスク(イスラム寺院)を警護して地域の治安を守るのもまた、北スラウェシの伝統です。
日本から一番近いインドネシア
1万7千以上の島々から成る世界最大の島嶼国家インドネシアでは、東西を「サバンからメラウケまで」、南北を「ティモールからタラウドまで」と表します。
その「タラウド諸島」がある北スラウェシ州は、インドネシア最北端の州であると同時に、日本から一番近いインドネシア。日本からずーっと南下した先の赤道上に浮かぶのがスラウェシ島、そして北緯1度30分にあるのが北スラウェシ州の州都マナドです。
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