サンギル的マグロのサシミ

カツオ産業マグロ産業が盛んなビトゥンは、サンギル系の海の民が多く暮らす土地です。サンギル族は北スラウェシ州のサンギヘ島・タラウド島からフィリピン南部のエリアに由来を持つ人々で、サンギル語はフィリピン南部の言葉と意思疎通できるそう。そんなサンギル人によるサンギル的マグロのサシミを紹介します。

サンギル的マグロのサシミ
サンギル的マグロのサシミ

生のマグロはビトゥンの水産工場や近所のワルンと呼ばれる萬屋で買い求めます。
石臼で唐辛子・赤わけぎ・ピーナッツ・トマト・香草をすり潰し、ケチャップマニス(≒砂糖醤油)とケチャップアシン(≒醤油)を加えて混ぜればタレの出来上がり。このタレは、最初は甘味を感じても、すぐに辛さが襲ってきます。サシミのお供は蒸したキャッサバやバナナ(調理用バナナ)が定番です。

サンギル的マグロのサシミ

インドネシア人はお米が大好きで、「ご飯を食べる=米を食べる」の認識が多数派と感じますが、サシミのお供は米じゃないんですね。フィリピンからサンギヘ諸島へ伝わったという、生マグロを使ったゴフトゥナのお供も米じゃないのですね。蒸したキャッサバやバナナはサンギルの食文化なので意外な組合わせではないものの、ちょっと不思議です。

このサンギル的マグロのサシミは、タレに浸して白米に乗せると一風変わった漬け丼になって、日本人的には美味しく感じました。

サンギル」と「サンギヘ
正式には“Sangihe”(サンギヘ)ですが、北スラウェシでは“Sanghir”(サンギル)で通っています。松井和久著『スラウェシだより』によると、『植民地時代、オランダ人は「へ」の発音ができず、「サンギヘ」を「サンギル」と発音したと言われている』とのことです。

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